打掛、掛下、帯や小物に至るまで、全て 白で統一される白無垢は、デザインが豊富なウェディングドレスと異なり、どれも同じに見えてしまうという花嫁様のお声をよく耳にします。
着物という素晴らしい文化を持ちながら、着物を身に着ける機会が少ない花嫁様世代にとっては、そのように思われるのも致し方のないことです。
しかし、白無垢もウェディングドレスと同じように、よく見てみればひとつひとつの表情が異なります。それゆえ、お似合いになるものと、そうでないものがありますよ。
白無垢選びにおいて重要となるのは
1.生地
2.柄
3.ふき
の3つです。
ひとつずつ、解説していきます。
【1】生地
主には、正絹と化学繊維に分けられます。
(交織と言って、正絹と化学繊維が交ざりあったものもありますが)
正絹(しょうけん)とは、天然シルク100%の生地。色合いは 薄いベージュがかった白、いわゆる生成色をしています。
とても上品な光沢と、体なじみの良いしなやかな柔らかさが 特徴です。
一方、化学繊維は正絹に比べて生地が固め。そのごわつきから 着崩れを起こしやすいとされます。
また静電気を起こしやすく、 纏わりつきやすいため、裾捌きが難しくなります。
更には化繊は漂白したような真っ白な色合いとなるため、上質な雰囲気を醸し出すには限度があります。
そのため、どうしてもチープな印象になってしまいがち。
ただ、一方でその真っ白な色合いを好む方も多く、正絹と比べてお値段がリーズナブルなのも人気の理由です。
挙式で長時間お召しになるなら着崩れしない正絹を。 お写真だけを残されるなら化繊を、といった選び方も良いでしょう。
ただし、屋外でのロケーション撮影の場合は要注意。日光の下で撮影したり、着用時間が長時間となったり、
歩いて移動したりすることの多いのがロケーション撮影です。
ロケーション撮影で白無垢をお召しになるなら、着崩れをしにくく、なおかつ、お写真の仕上がりが優しい雰囲気になりやすい正絹の方が断然お薦めです。
いずれにしても、ご試着時に撮ったお写真の顔映りは ぜひチェックして頂きたいものです。
【2】柄
柄には鶴や鳳凰、松竹梅など、縁起の良い柄が多く使われています。
緞子(どんす)など織で模様をほどこしたものもあれば、浮き上がったようなハッキリとした模様が特徴の刺繍柄も あります。
柄は、洋服選びと同じように好みでお選びになると良いでしょう。
また、普段お召しのお洋服では、大柄のものと小柄のもののどちらがお似合いになるでしょうか。
それを基準に、柄の大きさでお選びになるのも失敗が少ないですよ。
なお、ついつい正面から見た雰囲気ばかりで衣裳を選びがちですが、白無垢の柄は背中の柄がメインです。
(神前式で参列者がみる花嫁様のお姿は、ほぼ背中です)
衣裳選びの時には、必ず背面のお写真も撮影しましょう。
ちなみに。柄をお写真にハッキリと残したいならば、化繊よりもテカリの少ない正絹生地の白無垢を お選びになった方が良いですよ。ご参考まで。
【3】ふき
ふきとは、裏地部分が表にまで見えている部分のこと。袖口や裾、比翼などで、ふとんのように見える部分がありますね?
それが、ふきです。
多くの白無垢はふき部分も白色ですが、中にはふき部分だけが赤い色の白無垢もあります。これを、「赤ふき」と呼びます。
「もっと艶やかに白無垢を着こなしたい」、
「他の人とは違う装いをしたい」
など、オシャレに敏感な花嫁様にお薦めです。
紅白のコントラストは縁起が良いだけでなく、顔映りを よくする効果もあります。
また、この白無垢に使われる赤にはどんな意味があるのか、というご質問も多いです。
単におしゃれ感覚だという方も多いですが、魔除けのためだという説が最も広く知られている意味です。
神社の鳥居に朱赤が使われるように、 赤色(朱色)は魔力に打ち勝ち、災いを防ぐ意味があると言われているそうです。
おしゃれの意味合いの強い赤ふきですが、こうした色の持つ意味で選んでみるのもおススメです。
いかがでしたでしょうか。ウェディングドレス選びと同じくらい、白無垢選びが楽しくなれば幸いです。
なお、こちらの記事では白無垢の基礎知識について解説しています。よろしければ合わせてお読みください。
【結婚式豆知識】 婚礼衣裳の最上格 白無垢
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